ブラック企業に勤めて5年(現役中)の私が考えるメリットについて

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ブラック企業と聞くと、どうしても良いイメージが浮かばない。

いざ入社すると、
あって無いような福利厚生。
非人道的な残業時間。
当然ながら残業代は見込み給与。
鬼畜な上司と日々繰り返されるモラハラパワハラ・・・・

ブラック企業というとこんなイメージではないでしょうか。

これだけ聞くとブラック企業のデメリットしか感じられませんね。
しかし、ブラック企業の経験は必ずしもデメリットばかりではないと私は思います。

もちろん向き不向きは必ずある。
心身を壊すまで身を捧げるのは本末転倒。

そこで今回は、心身崩壊をする前にブラック企業から転職を決意した私の経験を元にメリット・デメリットを書いていこうと思います。

絶賛転職を考え中にあなた、同志です。

 

 

弊社の場合

まずはうちのブラックぶりをご紹介。

  1. 見込み残業時間60時間
    →これ、普通の人からすると多いけれど、ブラック企業経験者からするとめちゃめちゃ少ない。
    しかし私は、この60時間を超えて残業代を支払われたことがない。
    なぜならタイムカードなど存在しないからだ。笑

  2. 就業時間はあってないようなもの
    →日中はクライアントからのメール・電話対応、その他手配や調整に終われ、やっと落ち着いた就業時間19:00ごろから本業の制作業務が始まる。(え?)
    よって終電確定、グッバイ定時。

  3. 心労で倒れた社員を放置する
    →ある社員が人間関係のトラブルにより体調(内臓)を壊し不調を訴えたところ、別室で休憩を命じられたのみ。
    その後彼は救急車で運ばれ、当たり前だが後日退社した。

  4. 「君のためを思って言っているんだよ」上司
    ブラック企業といえば、モラハラ上司。
    弊社には名物的なスーパークレイジーモラハラ上司がいるのだが、その上司を庇う上司のセリフは「彼は君のためを思って言っている」だ。
    これは負のスパイラルで何の解決にもなっていないし、無駄にモヤつく。

  5. 若手が育たない
    →上層部は40代後半〜50代のおじさんたち。
    おじさんたちは「今」を変えるのが苦手。
    よって若手の意見や時代の流れを読めず、今まで通りのやり方を立場と役職を使って押し売りやりたい放題!
    結果的に今まで何人もの若手が辞退している。

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おかしいだろ〜〜〜〜っ!?

 

ブラック企業のメリット・デメリット

ここまで書くと、やはりブラック企業にはメリットなど無いように感じられるが、これは自分の捉え方次第で良い方向にも悪い方向にも考えられる!

まずはデメリットから考えていきましょう。

デメリット
  • プライベートと仕事の両立ができない
  • 人間関係の構築が難しい
  • 心身を壊す確率がある
  • 福利厚生を利用できない

まずプライベートはある程度捨てることになる。
休みだろうが何だろうが、緊急時にはメールや電話が鳴るし、呼び出されることもある。
なぜなら今までそうしてきた黒歴史があるから。
私はハネムーンで海外旅行中も緊急メールが数件入っていた。

また、人間関係も同じ。部下に耳を傾けられる上司がいる会社は一握り。
特にブラック企業を生き抜いてしまった上司はそれが『誇り』になってしまう。
そういった上司は、自分と同じようにできない部下やその他社員を攻撃しまくるので
このようなクソ上司と仲良くなれる部下はいない。

上記からリフレッシュ期間もなく淡々と働いているわけなので、もちろん体調を壊す人もいる。
しかし、まともな福利厚生もなく、相談できる人もいなくて「有給ください」の一言が言えない。

これらは紛れもないデメリット。同志の皆さま、本当にお疲れ様です。

しかし、ブラック企業に勤めることは決してデメリットだけではないと私は思います。
だってこの5年をデメリットだけで片付けるなんてもったいない!

次はメリットも考えていきましょう。

 

メリット
  • 時間の使い方が上手くなる
  • ミスをしない意識が芽生える
  • 人間関係への耐性と社内営業力が身に付く
  • 自分のキャパを早めに把握できる
  • 転職の際心残りがない

これは1つ1つ見ていこう。

時間の使い方が上手くなる

まず、時間の使い方。これはホワイトで快適な環境では残念ながら身につかないスキルだ。
そもそもブラック企業は1人に対するノルマが異常だったり、業務量が鬼畜。
それでもクライアントのため、ノルマのため、24時間フル稼働。
しかし、このままだと『私、死ぬわ』とシンプルに危機を感じる。

すると、人間食べる・寝る・休むための時間を確保しようと違う意味で力が発揮される。
特に2年目は、どの時期にどんなことがあったのか、何が必要だったのか、反省すべき点は何だったのかを思い出せる。

ここでの時間の使い方とは、どんなに時間が無くても「先回りするスキル」だ。

ほんの少し意識して行動するだけで毎日の業務が少しづつ楽になる。
これは今後どんな企業に入社しても役立つ。
しかもホワイトでのんびり仕事してきた同期とは比べ物にならないはず。

 

ミスをしない意識が芽生える

これ、一見社会人として当たり前に思えるが、人間誰しもミスはする。

そんな時、普通の会社だとまず謝罪。これ大事。
次はきっと上司から軽く怒られるだろうが、尻拭いは上司が代行してくれる。
してくれなくても「なぜミスをしたのか」を丁寧に教えてくれる人がいる。

しかし、こちらブラック企業ではまずブチギレられる。
それはもう人間を否定されるような勢いで普通に「死ね」とか言われる。半笑
私は50代のおじさんに「死ねば?」と言われる日が来るとは思っていなかった。

もちろん自分がミスをしたら軌道修正は自分で行う。
たとえこれが先方の情報伝達ミスだとしても、自分の責任だ。

これを経験すると、人はミスへの異常な恐怖心と執着を見出す。
だって怖いもん。結果、限りなくミスの少ない仕事ができるようになる。

  

人間関係への耐性と社内営業力が身に付く

人間関係はコミュニケーションで成り立っている。
しかし、ブラック企業の特徴は、恐ろしいレベルの説明不足とコミュニケーション不足。

理不尽なお叱りと上司の気分、そして分からないことを話しかけられないあの独特な空気。
ここだけ酸素が薄いんじゃないかと思うくらい息苦しいオフィスで仕事をする辛さ。

ご機嫌斜めな上司に話しかけなくてはならない時、胃がぎゅうってなるあの瞬間。
わかります。

これを乗り越えるには社内営業力だ。

もう私バカなんです〜!教えてください〜!●●さんさすが〜!助かりました〜!●●さんの資料見やすいから参考になります〜!ありがとうございます〜!

を馬鹿の一つ覚えのように毎日やる。
感謝されて嫌な気分になる人間はいませんから。

結果的に胃が痛くなるような環境への耐性、そして嫌な人とも話をしなければならない社内営業力が身に付く。

このスキルを得られたこと、私は今本当に感謝している。

 

自分のキャパを早めに把握できる

誰にでもキャパはある。ついでに言うと向き不向きもある。

ホワイトなお会社では何年もかけて、多くの部署を回りスキルを身につけていくのだろうが、こちら地獄のブラック企業は凄まじいスピードで様々な業務を覚えていく。

だって人手が足りないから!!!

と言う大義名分のもと、社畜となり様々な任務をこなしていかなくてはならない。

今日中に提出予定の企画書、見積もり、クライアントからの緊急ミーティング、アホな上司の対応、入稿デッド間近なデザイン、文字校正、何より明日は始発で現場。

こんな時どうしますか?

これを何度も経験していると、自分のキャパが見えてくる。
私の場合は、自分のキャパが見えてきたら、潰れる前に泣きつこう。
何故なら、もしキャパオーバーで倒れたり大きなミスをしてしまうと、そちらの方が会社にとって迷惑だからだ。

もし相談する同僚や上司がいないなら、このプロジェクトを乗り越えたら「やめる」という意思の元ほんの少し頑張る。
私は結構「いつかやめる」「これが終わったらやめる」と考えることで気持ちが楽になり耐えてきた。

そしてキャパ把握は仕事のためだけではない。
プライベート異常事態もあったりするので、自分のキャパを把握するというのは生きていく上で必要なスキルです。

これを若い時に知ることができるのは紛れもないメリット。

 

転職の際心残りがない

タイトルの通り、転職の際に心残りがないのは大きなメリット。
たとえば、業務内容はブラックでも人間関係はホワイト!だったら退職する際に少し気掛かりになってしまう。

しかし私は言い切る。

人間関係がホワイトな会社は本当のブラック企業ではない!!!

本当のブラック企業はまともな人間関係を築けない人がいてこそブラック企業だ!!

業務外の部分でも障害があるのだ!!
業務内容ブラック、人間関係ホワイトなんていうのはキラキラデザイナー漫画の世界だけ!!

その点私は割り切って、正々堂々転職を踏み切ることができた。

今まで散々苦労したが、これらの経験は次なるステップに必ず活かせるから、最後は自分のことを最優先に考えよう。 

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まずは無心で退職願を書いてみよう

ブラック企業で働く向き不向き

ここまで色々とメリットを書いてきましたが、すでに心身崩壊が始まっている人は直ちに私が書いたメリット要素などゴミ箱に投げつけて、代わりに退職願を上司のデスクに叩きつけよう。

このような劣悪な環境で働くには、向き不向き、相性、性格、元々の体力も関係するからだ。

心身崩壊する人は他人に優しすぎる。自己犠牲が大きすぎる。

私なんて自分がキャパオーバーしそうになったら上司だろうが社長だろうが優しくなんかしない。笑

誰にでも優しくしてしまう、他人の顔色を伺ってしまう、もともとメンタルが弱いという自覚がある人は早めに違う道を探そう。

これは逃げではなく、向き不向き。

研究職の人がバリバリ体育会系の営業職に向かないように、誰にでもあるものだから。

 

辞めたいけど言い出せない、そんな環境の人は代行サービスを利用しよう。
実際に私は50代のおじさんが代行サービスを利用して退職したのを見ております。
使えるものは使うべし!

 

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まとめ

以上が私が考えるブラック企業のメリット・デメリットです。

結果的に、私はこの地獄のような環境で得たものがたくさんあったと考えます。

何よりこの5年を無駄だと思いたくない!

もし同じ環境にいる人は絶対に自分を否定しないでください。

私はこの環境だからこそ自己肯定感を無くしてはいけないことも学べたし、耐えることができました。

次回は、コロナ禍の中、転職へ踏み切ったきっかけについて書いていきます。

 

マリーヌの自己紹介記事はこちら↓

 

abysse-marines.hatenablog.com

 

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素材引用:

unsplash.com